福島県白河市 天狗山のヤマブキソウ 5/5

 福島県白河市表郷地区にある天狗山は、春の花を楽しむ低山、そして11月に日本一遅い山開きをする山として県内でよく知られています。

春4月にショウジョウバカマとカタクリが咲き始め、そして二リンソウ。その後ゴールデンウィークに見ごろとなるのが今回訪ねたヤマブキソウ群生です。

出かけたのは5月5日。早く咲き始めたと思われる遊歩道の開花はさかりをやや過ぎていましたが、沢の歩道沿いはやや遅れて咲き始めたようでこの日が満開そのものでした。  


群生するヤマブキソウの隙間にはラショウモンカズラの青花、アギスミレの白花も見え、黄色いヤマブキソウの花を引き立てている


ラショウモンカズラ(シソ科)


アギスミレ(スミレ科)
アギとは顎の意。本種はニョイスミレに似るが、葉の元の両側が大きく突き出ている

駐車場からヤマブキソウの群生までは、公園のような遊歩道をわずか10分ほど。
せっかくなのでこの日は往復約2時間ほどの標高626mの山頂まで歩いてみました。新緑の中にガマズミ・ベニバナノツクバネウツギ・ツクバキンモンソウ・ヤマツツジなども咲いていました。


ベニバナツクバネウツギ(スイカズラ科)
羽根つきの羽根のような萼片が特徴。ウツギの名前があるヒメウツギはアジサイ科で本種とは花の姿は大きく異なる


同定不明のテンナンショウの仲間。黒と緑のコントラストで色の取り合わせがとても美しい


山頂先にある見晴台。表郷地区の家並みを見下ろす


 天狗山の歩道は、地元の「おもてごう里山クラブ」によって整備されているようです。下山の際は、翌年も同じ花に出会えるように募金に協力したいものです。また、表郷地区には世界でもここにしかない珍種植物といわれるビャッコイ(カヤツリグサ科)の自生地があります。ぜひ立ち寄ってみてはいかがでしょうか。


記・はしば

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