霊峰 月山の花々 8/2

 大きくたおやかな山容の月山は山形県のほぼ中央、湯殿山・羽黒山と共に出羽三山のひとつ。植物の種類も多く、初夏には膨大な残雪と共に色とりどりのお花畑を展開させます。今回訪れたのは8月初旬、昨年に続き雪は少なく、残雪はわずかしかありませんでしたが、天候よく、雄大な風景と共に花々を観察できました。写真は姥ガ岳からの月山

 登山口は姥沢。リフトに乗ってスタートしたいところですが始発は8:00。なので、あたりが明るくなる4:30に歩き出し、8時前には山頂に着くスケジュール。樹林帯を抜けると雲海の上に朝日連峰が望まれました。右から二つ目のピークが主峰の大朝日岳です


上写真は月山神社の鎮座する月山頂上。左奥には明日登る鳥海山が浮かんでいました。


 頂上直下のコバイケイソウ。朝の斜光線で雲海も立体的。朝早く登った甲斐がありました

ミヤマキンポウゲ。初夏の花ですが雪田跡に群生していました

ヤマハハコとハクサンフウロ。今回目当ての花の一つがハクサンフウロでした。月山頂上小屋の裏手に見事な群生地があるのですが、今年はハズレ。小屋オーナーの芳賀竹志さんに聞くと、この2年積雪が少なくそのせいか花の咲き具合は良くないとのこと。温暖化の影響が山にも現れているのでしょうか

タカネアオヤギソウ。アオヤギソウの高山型。ハクサンフウロと混生

咲き始めたアキノキリンソウ。これからが本番の花

大雪城(おおゆきじろ)にも下ってみましたが、花はいまひとつ。アオノツガザクラがわずかな残雪と共に
大雪城のチングルマ。前回来た時は広く一面に咲いてたのですが。でも13年前、そりゃいろいろ変わりますよね
東北の山の象徴的存在ヒナザクラ。ただし岩木山、早池峰山にはなく、それぞれミチノクコザクラ、ヒメコザクラが見られます

イワイチョウ。名にイワとありますが、湿原や湿った草地に生えます
ネバリノギラン。月山のこの花は全体に色が薄め

月山の他、栗駒、飯豊、朝日、吾妻と東北の山に分布するナンブタカネアザミ。でも南部が古名の岩手県には分布しません

上向に咲き葉が茎を抱くのが特徴のウゴアザミ。葉はさほど刺々しくありません。ウゴとは羽後でほぼ現在の秋田県。月山のある山形は羽前ですが、月山に特に多く産します

ミヤマリンドウ。高山草原に生える。高山周辺の平坦地に多く見られます

キオン。カニツリノガリヤスと混生


ハクサンボウフウ。高山では定番のセリ科植物。地味なイメージですが、登山道沿いに宙に浮くように咲いてました

ニッコウキスゲ。大きな雪田跡なので、8月に入って咲き始め

姥ガ岳からリフト駅へ下る木道。キンコウカが花盛り

高山とはいえ暑いので、下りはリフトで姥沢へ。足下にはヨツバヒヨドリが群生

リフトを降り、駐車場への道にて。これまでにも何度か撮影している植栽のキンロバイ。見事な大株になってました


記・中村

 

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